瘀血証(おけつしょう)

1.  交通事故、労災事故、スポーツ等による骨折や外傷による傷害の外科手術後のリハビリは、通常のリハビリの必要がないくらい鍼治療で驚くほど短期間に回復させることができる。

2.  乳癌、子宮癌の外科手術での癒着による引きつり、痛み、浮腫や卵巣嚢腫の手術の後遺症である不妊症、その他の外科手術全般の後遺症は鍼治療の得意分野である。

3.  ぎっくり腰、椎間板ヘルニア、五十肩、肩こり、捻挫、打撲、突き指、腱鞘炎

4.  心筋梗塞、きりきり痛む胃痛

5.  目の周りにできるクマ、顔面のくすみ

6.  生理痛

上記の1から6の疾患や症状は、何の関連性もないように見えるが、中医学的解釈では、全てが血の流れが停滞しているという意味の「瘀血証(おけつしょう)」ということになる。

瘀血証(おけつしょう)の治療は行気活血の治則になり、取穴は間使、三陰交。手技は瀉法で、程度に応じて30秒から2分間の手技を約30分間の置鍼時間中に2~3回行う。

このような瘀血証(おけつしょう)に対する共通した治療で、上記した疾患や症状を治療することができる。さらに、各疾患や症状に応じて、局所取穴や井穴の取穴、郄穴の取穴、弁証取穴、特効穴等を用いることがある。さらに、耳ツボ、頭皮鍼、眼鍼が効果的なことがある。

 

症例1 乳癌で乳房の全摘手術の後遺症として、局所のひきつれ、違和感、重度の浮腫

取穴 間使、三陰交、陰陵泉、尺沢、(瘀血には、間使、三陰交、湿邪の停滞による浮腫の治療には肺の宣発粛降作用、脾の水湿の運化作用を運用する必要があり、尺沢、陰陵泉、豊隆を取穴)さらに、 耳ツボの乳腺、神門、肝、脾、胃、肺を取穴

この治療には、軽度のものは一回、重度のものは4~5回の治療が必要である。

 

症例2 卵巣嚢腫の手術の後遺症で、卵管が癒着して不妊症

手術による卵管の癒着は瘀血証(おけつしょう)に相当するので、間使、三陰交の取穴。さらに卵管の癒着部位は、解剖学的には、奇穴の子宮穴の付近の圧痛点になるので、そこに局所取穴するとよい。4~5回のシンプルな治療で卵管の癒着が解けて、妊娠可能の状態になり、その後、赤ちゃんと、ご対面できたこともある。

 

症例3 労災事故で5本の指を切断、指は手術をしてくっついたが、指が全く動かず、氷のように冷たく、感覚がない。通常のリハビリの効果はゼロであった。

取穴は間使、三陰交、各指の井穴、耳ツボの指、神門、頭皮鍼の手に相当する部位

治療は2回に分けて、2日連続治療、計4回の治療で職場復帰して仕事ができるまでに回復した。

 

症例4 眼の周りの目立つ青色のくま

ストレスが原因の肝鬱気滞瘀血による「くま」

取穴は、間使、三陰交、太衝、さらに、八卦の理論による眼鍼療法の肝の区域に刺鍼 数十分間の置鍼後には、あまり目立たない程度の薄いくまになった。

 

症例5 ぎっくり腰

ぎっくり腰は劇症タイプの腰痛で、よく見受けられる。

鍼治療の臨床効果が高いので、迷わずに来院してください。

取穴は間使、三陰交。また、後谿の運動鍼による治療で完治する場合が多い。鍼が怖くて、嫌だという人には、耳ツボの反応点と神門に正確に取穴すると、耳ツボだけでも、高い治療効果を出すことができる。

 

症例6 五十肩

本格化した五十肩は、夜間痛もあり、数年間くらい厳しい状態が続くことが多い。

鍼治療では、局所のツボに灸頭鍼をするのが一般的治療法であり、その効果は標準的なものである。

当治療院での治療法は、陽明胃経の足三里の下1寸(陽明大腸経の肩髃の痛み)、太陰脾経の三陰交(瘀血が強いタイプ、太陰肺経の肩前の痛み)、太陰脾経の陰陵泉(湿邪が強いタイプ、太陰肺経の肩前の痛み)、太陽小腸経の後谿(太陽小腸経の肩貞や天宗の痛み、頚部の督脈、太陽膀胱経に反応がある)の運動鍼。さらに、耳ツボに相応する局所のツボ、神門を取穴。この治療法は、即効性と治療効果の持続性があり、完治する期間を大幅に短縮できる。

「肩こり」の治療も、五十肩の治療に順じて行うことができる。

症例7 生理痛

生理前に痛みや症状が出るタイプは実証である。実証の生理痛には、内関あるいは間使、太衝、三陰交を取穴し、瀉法を施す。また、内関一穴でも、生理痛の治療はできるが、全体的な症状等を総合判断すると、3穴で治療した方が良い場合が多い。